舟橋聖一
(ふなはし せいいち)1904~1976年、享年71。東京都出身。東京帝国大学文学部卒。
大学入学後、河原崎長十郎主宰の劇団「心座」結成に参画。卒業後も大学講師を務めながら劇団活動を続ける。その後徳田秋声の門に入り、「文學界」の同人となる。『ダイヴイング』(1934年)、『木石』(1938年)、『悉皆屋康吉』(1941~45年)を経て、第2次世界大戦後は『雪夫人絵図』(1948~50年)、『芸者小夏』(1952年) などエロティシズムを含んだ独自の世界を確立した。他に井伊直弼の生涯を描いた『花の生涯』(1952~53年)、『ある女の遠景』(1963年、第5回毎日芸術賞作)などの作品がある。芸術院会員。1975年文化功労者。