萩原葉子
(はぎわら ようこ)1920- 2005年、享年84。東京都出身。國學院大學中退。小説家、エッセイスト。
詩人萩原朔太郎の長女に生まれ、両親の離婚により祖母のもとで育てられた。母の不倫によって自分を含む子供2人が捨てられたことがトラウマとなり、結婚、離婚を経て作家生活に入る。『父・萩原朔太郎』(1959年、第8回日本エッセイストクラブ賞)でデビューし、1966年、敬愛する詩人三好達治の人間像を描いた『天上の花――三好達治抄』(1966年)で第13回新潮社文学賞と第6回田村俊子賞を受賞。「どんなに家の恥になるようなことをしても、最後には父が守ってくれる」という確信を心の支えにして生きていく自画像を描いた代表作『蕁麻の家』(1976年、第15回女流文学賞)、『閉ざされた庭』(1984年)、『輪廻の暦』(1997年)の三部作で、1999年に第40回毎日芸術賞と第2回高橋元吉文化賞を受賞。『朔太郎とおだまきの花』(2005年)が遺作となった。