作家プロフィール

川崎長太郎

(かわさき ちょうたろう)1901~1985年、享年83。神奈川県出身。小田原中学校中退。小説家。

家業の魚屋を手伝ったりするかたわら、「民衆」の同人になり、詩作などを発表したりした。1922年に上京、翌年、岡本潤、萩原恭次郎らと詩誌「赤と黒」を創刊し、アナーキーな詩を発表していたが、関東大震災後、無政府主義の運動から離れ、1925年、徳田秋声の世話で私小説「無題」を発表して文壇に認められた。その後プロレタリア文学の台頭などのために長らく不遇であったが、第二次世界大戦が終わって、「抹香町」(1950年)などの小田原の娼婦との交渉を素材とした作品を書き、ブームを巻き起こすに至った。半世紀に亘る私小説に徹した作家の一人としての創作活動が評価され、1977年、第25回菊池寛賞を受賞。
『川崎長太郎自選全集』の刊行によって、1981年、第31回芸術選奨文部大臣賞を受賞した。

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