水上 勉
(みずかみ つとむ、みなかみ つとむ)1919年(大正8年)3月8日 - 2004年(平成16年)9月8日、享年85。福井県出身。本姓の読みは「みなかみ」だが、筆名(ペンネーム)として、後年「みずかみ」が使用された。
旧制花園中学校(現・花園中学校・高等学校)卒業。1937年、立命館大学文学部国文学科に入学するも半年で中退。1947年に刊行された処女作『フライパンの歌』がベストセラーとなるが、その後、文筆活動からは遠ざかる。1960年、水俣病を題材にした『海の牙』を発表し、翌1961年に第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞、社会派推理作家として認められた。しかし水上自身は推理小説に空虚感を感じており、「人間を描きたい」という気持ちから自分がよく知る禅寺の人間たちを題材に『雁の寺』を執筆、同年に第45回直木賞を受賞。代表作に『飢餓海峡』、『越前竹人形』、『五番町夕霧楼』、『はなれ瞽女おりん』、『金閣炎上』など、映画化された作品も多い。