小沼 丹
(おぬま たん)1918~1996年。享年78。東京都出身。早稲田大学文学部英文科卒。小説家、英文学者。本名・小沼 救(はじめ)。
井伏鱒二に師事。高校教員を経て、1958年より母校早稲田大学英文科教授を務める。
英文学研究のかたわら小説を発表し、1954年に『村のエトランジェ』が評価され、翌年には「白孔雀のいるホテル」で芥川賞候補となる。1969年、『懐中時計』で第21回読売文学賞受賞、1974年、『椋鳥日記』で第3回平林たい子文学賞受賞。1989年、日本芸術院会員。1992年、勲三等旭日中綬章受章。
海外文学の素養と私小説の伝統を兼ね備えた、洒脱でユーモラスな筆致で、「大寺さんもの」など、日常を題材とした小説のほか、随筆の名手としても知られる。