澁澤龍彥
(しぶさわ たつひこ)1928年(昭和3年)5月8日 - 1987年(昭和62年)8月5日、享年59。本名、龍雄(たつお)。東京都出身。
1953年、東京大学文学部仏文科卒業。卒論は『サドの現代性』。1954年、白水社で最初の訳書『大跨びらき』(ジャン・コクトー)を上梓、初めて筆名「澁澤 龍彥」を用いた。1961年、猥褻(わいせつ)文書販売および同所持の容疑で、現代思潮社社長石井恭二と共に在宅起訴され、以後9年間に渡りいわゆる「悪徳の栄え事件」の被告人となった。1969年に澁澤側の有罪が確定し、7万円の罰金刑を受けた。人間精神や文明の暗黒面に光を当てたエッセイが世間に与えた影響は大きい。小説家としても独自の世界を開く。編著『エロティシズム』『血と薔薇』などの著作でエロティシズムを追究した事でも知られている。代表作『唐草物語』(第9回泉鏡花文学賞)『高丘親王航海記』(第39回読売文学賞)など。