作家プロフィール

獅子文六

(しし ぶんろく)1893~1969年、享年76。神奈川県出身。小説家、劇作家。本名:岩田豊雄(いわた とよお)。

慶應義塾普通部を経て文科中退。1922年、フランスに遊学して演劇を学び、帰国後に岸田国士らの新劇活動に加わる。近代劇の翻訳や演出を手がけ、『東は東』(1933年)などの戯曲を書き演劇論も展開、1937年、岸田国士、久保田万太郎らとともに劇団文学座を組織した。その間「いわばアルバイトのつもりで、ユーモア小説を書くことを考えついた」(「処女作のころ」より)獅子文六の筆名で「新青年」に小説を書き始め、『金色青春譜』(1934年)が好評を博す。その後『悦ちゃん』(1936~37年)や『達磨町七番地』(1937年)などの新聞小説で評判を得る一方、『胡椒息子』(1937~38年)や『信子』(1938~40年)を婦人雑誌に発表して人気を博した。第二次世界大戦中は『海軍』(1942年)を「朝日新聞」に本名で連載して反響を呼ぶ。戦後は同紙に『自由学校』(1950年)を発表。風刺の効いた戦後風俗批判が話題となり、『てんやわんや』『大番』『やっさもっさ』など多くの作品を生む。その後、半自伝小説『娘と私』(1953~56年)で作者として新分野を開拓する。同じく半自伝小説『父の乳』(1965~66年)が最後の小説作品となる。1963年芸術院会員。1969年文化勲章受章。

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