高橋揆一郎
(たかはし きいちろう)1928~2007年、享年78。北海道出身。札幌師範学校中退。小説家。本名 良雄。
小学校代用教員、住友石炭鉱業勤務を経てイラストレーターとなる。時事漫画を中心としたイラストレーターの傍ら「くりま」で小説の同人活動を続け、1971年「3年間だけ小説を書かせてくれ」と妻に頼み込み、執筆活動に集中する。処女作「すかんぽ」が北海道新聞文学賞最終候補に残り、1973年「ぽぷらと軍神」で第37回文學界新人賞を受賞する。1977年「季刊藝術」に掲載された「観音力疾走」で第11回北海道新聞賞受賞し、翌78年、「伸予」で北海道在住の作家として初めて芥川賞(第79回)を受賞する。ほか、第11回新田次郎文学賞を受けた「友子」(1992年)など、一貫して庶民を描き、炭鉱や炭鉱労働者を舞台とした自伝的小説を発表しつづけた。