辻井 喬
(つじい たかし)1927年~ 2013年、享年86。東京都出身。東京大学経済学部卒。実業家、小説家、詩人。本名・堤清二。
西武王国の総帥だった父・堤康次郎の跡を継ぎ、理論派経営者の手腕を発揮する。康次郎は5人の女性との間に5男2女を持つ。このことは父への反抗につながり、日本共産党入党や文学への傾倒へのきっかけとなっていく。また「父との確執と、父への理解」は、「小説家・辻井喬」を貫くテーマともなっている。実業家として活躍する一方で、詩人・小説家としても旺盛な活動を行い、1961年、詩集『異邦人』で第2回室生犀星詩人賞、1984年『いつもと同じ春』で第12回平林たい子文学賞、1993年、詩集『群青、わが黙示』で第23回高見順賞、1994年『虹の岬』で第30回谷崎潤一郎賞、2004年『父の肖像』で第57回野間文芸賞を受賞。他の作品に『彷徨の季節の中で』『風の生涯』『鷲がいて』などがある。